ずっと同じ人と一緒にいると、その人の動作や言動がどんどんうつってしまう。

いつだってそうだった。

 

方言持ちの人たちと一緒にいると、すぐにうつる。単語のイントネーションがおかしくなるし、語尾が「~しとる」とか「~やって」とかになる。方言に憧れているのもあるかもしれない。

ちょっと喋り方が特徴的な人といると、必ずうつる。カ行の発音がある人に似たことがあった。ちょっとくぐもっていて、喉の奥から発音する感じのカ行を言う人がいた。その人の話すことばにはいつも重みがあって素敵だったから、ちょっと他の人とは違う特徴を取り入れてしまったのかもしれない。

昔付き合っていた人からは文体がうつった。理解するのに少し時間がかかる文章を書く人だった。

隣に座っている人の楽器の弾き方は、無意識的にうつる。自信なさげに弾いてる人の横で、自分の音が不安げになるし、縮こまって弾いてしまう。逆に、堂々と弾く人、私が好きな弾き方をしている人は離れている席でもうつってしまう。同期も、後輩も、弾き方が大好きな人たちが多い。

 

それでは。