台風のオンナ
私が生まれた日はどうやら台風だったらしい。
それが原因かは知らないけど、私は雷が大好きで大好で仕方ないのだ。
さっきもテレビでW杯の会場の天気を報道していて、雷がバリバリ落ちていた。
それを見てフフフと笑ったら、家族にちょっとだけ引かれた。
たまにSNSで雷が建物とか車を直撃する動画が回ってきたりするけど、ちっとも怖くなくて、逆に楽しい気持ちになる。
近くで雷が鳴ってるとその光を見たくて建物のスキマを凝視する。たいてい、そういう時って雲に反射した光しか見えなくて雷自体を見れることってあんまりないのだ。
あと、雷って北のほうに落ちやすいのかな、私のベランダからはいつも見えないので北側についている窓か西側の窓から首を出して見ている。
雷好きは今始まったわけではなく、5歳くらいから好きだった記憶がある。
私の母も歌うことが好きで、小学校くらいまで(たまに今も)既存の曲はもちろん、たまに作曲して一緒に歌っていた。「焼肉かステーキが食べたい」歌とか、「馬小屋を訪ねる」歌とかいろいろあった。
たぶん今だったら「人の金で食べる肉はうまい」とか「働かないで20万円もらえないかな」みたいな曲しか作曲できない気がする。
その中でも特に覚えていて、今でもたまに歌うのがかみなりの歌だ。
歌ってよりかは、
ぴっかっか~、ごろごろ、こーいこい!
と音頭を取ってひたすら繰り返すだけなんですけどね。
ポイントは、窓を開けて、うちわを両手に持って振りながら歌うこと。
いや冷静に考えて雷呼び寄せるって発想、5歳にしてはヤバくないですか?
中高のころ、外で雷が鳴ってると、みんなキャーだのワーだの叫んでいたが、私は一人で「オォ~」と感心し、授業そっちのけで窓の外を見つめていた。
やっぱり魅力があるんだ。なんでだろう。特にこれ!という理由はないけど。
もちろん雷に限らず、様々な光が好きだ。
夜景も好き。イルミネーションも好き。最近行ってないけど。
でもやっぱり人工的な光より、自然の光が好きかな。
噴水とか滝に反射する光とか。噴水は人工物だけど。
雨上がりの水たまり、静まり返った水面に映る光、均衡を壊したいので、靴下がぐっしょりすることを考えずに飛び込みたい。
やっぱり暑くて嫌になっちゃうけど、夏のカンカン照りの日差しも、なんだかんだ好き。生命!って感じ。
でもやっぱり雷が一番好きかなあ。
あの、いつくるかわからない、ちょっと怖い、死を連想させる、でも綺麗で、幻想的で、暗いところに一筋現れる感じが。
それでは。