夢で逢う

 

 

三大欲求の中で一番好きなものは?と聞かれたら、断然、睡眠欲だ。

 

 

三度の飯よりも睡眠が好き。

最高に気持ち良い。たくさん寝た後、布団からずり落ちて浴びる朝日も、寒い寒いと思いながら足の指先を擦り合わせる時間も、暑い~と叫びながら布団を引っぺがす昼前も、脳は活動しているけど目が起きていないぼんやりとした数分間も、好きな人から連絡が来ているかどうか半目で画面を確認する瞬間も、二度寝をするか水を飲みに行くか迷う一瞬も、枕に顔をうずめて三度寝に入ろうと決意するときも、枕元に置いてあった本の続きを寝っ転がったまま読み始めるときも、何もかもが幸せに満ち溢れていて、この時間が永遠であってほしい。と思いながらまた寝る。

 

 

布団が好き。

だからやっぱり冬が好き。

夏は暑すぎる。

 

平日、特に朝が早くて寒い日はどうしても怠い。眠い時の体温でじっとり温まって、足先だけほんのり冷えていて、ずっとこのままさなぎのようにくるまっていたいと思う。いつかは出なきゃいけない現実を受けれたくない。床はくっつくくらい冷たいし、着替えるのも億劫になるほど空気が張っている。

 

 

布団の中にいれば視界が暗くてぼんやりしていて、現実を直視しなくて良い。何も考えなくても許されるし、何を考えていても許される。高校の合宿とか修学旅行でも、各々の布団にくるまって、いろんなことについて話した。電話したまま寝てしまって起きてもまだ繋いだままだったとしても、布団の中にいるのだったらそんなに罪深いことではないような気もする。ずっとこのままが良い。布団は偉大だ。

 

 

 

それでは。