6センチとあと数日
人間はみな、髪に敏感だ。
髪を切れば「失恋?」
伸ばしたら「恋人できた?」
いつもと違う髪型をすると「今日デート?」
など、髪の毛と恋愛事情の関係についての論文が書けそうなくらい、恋は髪型を左右し、髪型もまた恋模様を変えていくのだ。
実際失恋して髪を切るだの伸ばすだのする人はいるし、恋人の意向に合わせて髪型を変える人、そうしない人もいる。
今、十数年ぶりに髪を伸ばしている。
小4でバッサリ切ってから、中学高校もずっとショートカットで、下手したらそこら辺の男子よりも短い、なんてこともざらにあった。
ショートカットの方が個性的だとか、カッコイイとか、強そうとか、手入れが楽とか、ドライヤーが要らないとか、色んな理由があったが、とにかく髪を伸ばすことに抵抗があったし、髪型を貫くことで、自分の軸が形成されていた。
髪を伸ばすことで、自分が自分じゃなくなる気がした。
でも、人生の半分以上ショートカットでいた身としては、女性のストレートロングヘアーにはものすごい憧れがある。
前からずっと。
春風に吹かれてそよぐ緑の毛束、夏にポニーテールにするときのあの白いうなじと透明な後れ毛、秋になって隠される首筋、冬は暖かそうで、マフラーを巻いた時にちょっと浮かぶしっとりとした毛、
典型的な男子中学生みたいな発言だが、許してください。
「人生で一回はサラサラ黒髪ストレートロングの美女になってみたい、そして、ショートカットの過去に踏ん切りをつけたい」という固い意志で、今回、私は髪を伸ばしている。
仲良い友達も、気になるアイツも、家族も成人式も、好きな芸能人が雑誌のインタビューで「好きなタイプは?」と聞かれたときの回答も、何も関係ない。
誰の意向でもない、私の中の、私だけで、私が決めたこと。
美女になれるかは、知らんけど。
踏ん切りがつくかも、知らんけど。
自分は自分、他人は他人だし。
まるで自分の手柄のように「だーからショウコは髪長いほうが良いって!」っていう他人もいるけど、今回は大目に見よう。私が下した決断を褒めてくれるんだもんね。
髪型を変えたことで私の魅力に気づいちゃう人も大勢いるだろうし。うふ(と自分で言っときながらゾワゾワしてみそ汁の中に沈殿したくなりました。)
その代わり、他人の髪型については文句ばかり言ってる。
男性の前髪は長めで重めのほうが絶対良いし(襟足は切るべし)、女性の髪の毛はストレートで先だけ巻いてあるのが絶対良い。
って私は思ってる。
でも他人は他人なので、私に文句言われても流してください。
自分で決めたことには常にポジティブでいないと。
結局何でも、最終的な決断権は自分が持っているのだから。
Stay Gold!!
と別れ際に言われた時のことを思い出した。
いつも自分に自信が持てているかな。
早く、髪が伸びてほしい。
それでは。